近年、地球温暖化は進行していないという議論を見かけるようになりました。確かにここ数年、暖冬の予報に期待しては裏切られている気がします。

温室効果ガスによって大気や海洋の平均温度が上昇する地球温暖化は、19世紀から始まった地球により指摘されています。1906年から100年間で地球の平均気温は約0.74℃上昇しており、このまま上昇し続けると洪水被害の増加の他、農業や漁業、建造物への悪影響などが懸念されています。

地球温暖化の原因として挙げられる温室効果ガスには、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスがあります。

二酸化炭素・・・化石燃料を燃やす時に発生し、地球温暖化に悪影響を及ぼすものとされている。
メタン・・・地球温暖化に及ぼす影響は、同量の二酸化炭素の約23倍と言われる。
一酸化窒素・・・空気中には微量しかないが、二酸化炭素の約310倍もの悪影響を及ぼす。
フロンガス・・・オゾン層を破壊し地表に届く太陽光が強くなるが、上記3つに比べると影響は僅か。

地球温暖化の停滞(ハイエイタス)

しかし、21世紀に入ってから世界全体の平均気温はほとんど上昇していないという報告が寄せられています。京都議定書に代表される、温室効果ガス排出量削減に向けた取り組みの結果だと言いたいところですが、残念ながらそうではないようです。地球温暖化の停滞はハイエイタスと呼ばれ、以下のような現象が要因として議論されていますが、今のところどれも決定的ではありません。

深海の熱吸収

2000年以降のハイエイタスは水深700メートルを超える深海の熱吸収が原因である可能性を示唆する研究結果が、東京大学大気海洋研究所の渡部雅浩准教授らのグループによって発表されました。これに基づくと、深海を含む地球全体では依然として温暖化の傾向が見られ、今後再び気温上昇の局面に転じる可能性が高いと考えられます。その一方で、水深1995メートル以上の深海の水温を計測した結果、2005年~2013年にかけてほとんど変化は見られないとする論文が英科学誌「ネイチャー・クライメート・チェンジ(Nature Climate Change)に掲載されています。いずれにせよ調査対象としている水深が異なる点など、まだまだ検証の余地があります。

太陽活動の停滞

太陽活動の停滞は1985年頃から現在まで続いていると言われています。太陽活動は11年周期の中で強くなったり弱くなったりを繰り返します。この周期の中で活動が活発になる極大期には極域磁場の転換(ポールシフト)が発生し、太陽からの放射は通常より約0.1%強くなります。直近では2013年に極大期を迎えましたが、ポールシフトは観測されませんでした。

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太陽極大期

11年ごとの太陽周期において、太陽活動が極大になる時期である。太陽極大期の間は、多くの太陽黒点が現れ、太陽放射は通常より約0.1%強くなる[1]。太陽からのエネルギーの増加は、地球環境に多大な影響を及し、最近の研究では、地域の気象パターンとの相関も示唆されている。-Wikipedia

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更に、太陽活動を示す尺度として用いられる黒点の数にも異変が見られます。太陽活動が最大になる極大期には通常150から200の黒点が観測されますが、2013年の極大期には、50~100程度の黒点しか見られませんでした。このような太陽活動の停滞がハイエイタスの原因の1つであると指摘されています。

成層圏の水蒸気の減少

対流圏と中間圏の間にある成層圏は、地上10kmから50kmに位置する空気の層です。成層圏には雲がなく水蒸気が含まれていて、水蒸気が地球温暖化に及ぼす影響は、二酸化炭素のおよそ2倍から3倍に相当すると考えられています。気温が上昇すると、大気中に保持できる水蒸気量も増加するため、気温の上昇は温室効果を増幅させ更に地球温暖化を進めます。2000年以降、対流圏からの流入量の変化に伴い成層圏の水蒸気量が減少しており、気温の上昇率を2割程度下げたと考えられています。

地球温暖化の原因については、人間の活動による部分が大きいとする考えが主流です。しかし深海や太陽、成層圏など人類のコントロールが及ばないレベルでの変化に左右されると、途端に投げやりな気分になってしまいそうです。来年の夏はもう少し涼しくなると嬉しいのですが。

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1940年–1980年の平均値に対する1995年から2004年の地表面の平均気温の変化 –

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