今年3月に公開されたSNS『Ello』をご存知でしょうか。完全招待制で本名公開の義務もない、ユーザーの情報を収集した広告も掲載されない『アンチFacebook』と謳っているこのSNSに、公開当初から多くの人が入会していっているそうです。

アンチFacebook

ElloはアンチFacebookを宣言しています。それは、以下のようなものにあげられます。

・実名公開義務がなく、匿名でも登録可能。
・広告が表示されない。
・完全招待制。
・『いいね』がない。


Facebookの実名公開義務に拒否反応を覚えて利用を控える、実名での投稿が息苦しいという人にとっては、このElloは魅力的なのかもしれません。

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Elloトップページ

アイコンを見てもFacebookのように本人の顔写真である必要はないことがわかる。

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Ello

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Elloマニフェスト

「あなたは商品ではありません」と語りかけている。

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Ello

本名でなくてもOK

Facebookでは、使用する人は実名を登録することが義務付けられています。けれど、実名ではなく芸名など実生活で利用している名前を登録している人たちもいます。2014年、Facebookはあるユーザーから偽名を用いてFacebookを利用しているという通報を受け、数百名のユーザーのアカウントを停止しました。ところが通報された人の多くはドラァグ・クイーンなどのLGBT(lesbian, gay, bisexual, and transgender)コミュニティーのメンバーであり、今回の通報は彼らに対する攻撃であったことが後に判明し、10月1日にFacebookは謝罪しました。

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ル・ポール

エルトン・ジョンと共演したこともあり、『初のドラァグ・クイーンのスーパーモデル』と言われていた。Facebookがドラァグ・クイーンやLGBTコミュニティメンバーのアカウントを停止したことに対する批判をフォロワーに発信、次なる活動の場としてElloを選んだ。

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Flavorwire

そんな彼らがFacebookに変わる交流の場として登録しているのがElloなのだそうです。Elloは、実名で登録する必要はなく、偽名や芸名などその人が名乗りたい自由な名前で活動することができるのです。Facebookは性別の記載も必要ですが、Elloにはそれもありません。

自由な表現ができる

Facebookでは赤ん坊の授乳写真は削除されてしまいます。以前、実験として浴槽に入っている女性が肘を胸に見えるような位置に置いて撮影した写真をアップしたところ、それも削除されたということがありました。それは後日誤りであったとFacebook側から謝罪があったそうですが、そのくらいFacebookは規約に違反していると見られる画像、動画には厳しい措置を取っています。

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Facebookが不適切として削除した肘を胸に見立てて撮影した画像。現在は復旧されている。

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Elloは誰でも自由なコンテンツを投稿することができ、その中には性的なものも含まれています。もちろん、それらを見たくないというユーザーもいますので、対策として『フラグを立てる』というルールがあるそうです。フラグが立っているものはそれらを見たくないユーザーの目に入らないようにされるそうです。

広告の掲載がない

Facebookは各ユーザーごとに、それぞれのユーザーが興味を持ちそうな広告を掲載しています。その広告を掲載するために、Facebookはユーザーデータを収集しています。Elloはその行為を「気味が悪く非倫理的」とし、ユーザーデータの収集は行わないと宣言しています。ElloがアンチFacebookと呼ばれる一番の理由はこの点だそうです。
広告収入を得ない代わりに、テンプレートの変更や一部の機能をプレミアム会員のみする課金制を行う予定だそうです。

現在は完全招待制

ElloはもともとはプライベートSNSとして制作されていましたが、2014年3月に完全招待制となりました。すでにメンバーである人から招待コードを受け取った人のみが、Elloには参加できます。これを聞いていると、日本ではmixiを思い出す人も多いのではないでしょうか。mixiもかつては完全招待制であり、実名公開義務もなく、限られた人との交友の場として利用されていました。mixiの場合は収入源として広告バナーの掲載がされていますが、モバイル版ではコミックサイトへの誘導としてアダルトコミックの画面を表示していることもあり、不快に思う人もいたかと思います。Elloにはそういった広告が一切ないので自分が見たくない広告からのストレスからは解放されそうです。

実際に使用しているユーザーによると、Elloはブログに近い感じなのだそうです。Tumblrに近いという感想も見受けられます。招待コードを手に入れた人のみが入会できる仕組みのため、Elloの招待コードを求めるつぶやきなどもTwitterで見られます。中にはネットオークションで500ドル(約5万5000円)で販売されていることもあったそうです。
自分が名乗りたい名前を名乗り、自由に表現できる場として、Elloは今後定着していくのでしょうか。