TwitterをはじめとするSNSには日々膨大な数の情報が飛び交っています。しかし、その情報が真実なのかどうかを瞬時に判断することは難しい場合があり、そもそも求めている情報が他のつぶやきに流されてしまって目に届かないということは多少なりとも経験したことがある人はいるかと思います。もし、それが緊急時であった場合、膨大な情報の中から必要とするもの、正しい情報を探し出すことはいまでは難しい作業です。そんな状況を変える試みとして11月5日より試験公開された『DISAANA』が開発されました。


NICTは、耐災害ICT研究センター及びユニバーサルコミュニケーション研究所において開発を行っている対災害SNS情報分析システム「DISAANA(ディサーナ)」(DISAster-information ANAlyzer)を11月5日からWeb上に試験公開します。

必要な情報を必要な相手へ

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、様々な情報が様々な媒体で飛び交いました。Twitterでは多くの情報が流れ、安否確認をする人、被災地の状況を伝える人、物資が不足しているなど救援を求める人のつぶやきが流れました。そのつぶやきによって地方の情報が伝わり、特定の地域の情報が得られるなどがあった反面、膨大なつぶやきの中で必要な相手に届く前に流されてしまったり、拡散されていく過程で情報が変化してしまったり、デマが紛れ込むなどもあり、いま必要としている情報を必要としている人に届ける手法としては難しい面もありました。今回試験公開されたDISAANAは、そんな多くのつぶやきの中から必要な情報を選別し、その情報を必要としている被災者を始め、復旧・救援活動を行う人に届けることを目的として開発されたのです。

3.11当時にこのシステムがあったと仮定しての試験公開

DISAANAは、Twitter上にある日本語でつぶやかれたものを対象に、災害に関連する情報を収集し自動的に分析を行います。分析されたつぶやきを元に、サイトに訪れた人が知りたい情報に適した回答の候補を提示するシステムです。
現在試験公開されているDISAANA試験ページでは、東日本大震災時につぶやかれたものを元に構成されています。あの当時に、知りたいと思った情報を左上の質問入力欄に入力し、検索ボタンを押すと、その回答の候補となる地域をつぶやきを元に提示してくれるのです。

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DISAANA公開試験サイト

東日本大震災時にこのサイトがあったとして、様々な質問をすることができる。質問には、『何』『どこ』のどちらかが入っている必要があり、『Yes』『No』で答えられる質問には対応していない。『質問例から選択』で、過去に質問されたものから尋ねることも可能。

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例えば『宮城県のどこで毛布が不足していますか』と質問してみたとします。そうすると、宮城県の地域名を含んだつぶやきを検出し、いま毛布を必要としている地域を表示してくれます。赤いピンをクリックするとその地名と元になったつぶやきが表示されます。

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質問に対してその回答の候補となる地域を赤いピンで表示。回答候補の単語や地名の一覧が表示されるコーナーもあり、より明確な確認ができる。

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矛盾する内容も自動的に特定

多くのつぶやきの中には、信ぴょう性に欠けるもの、もともとあった情報から変化してしまったものなどもあります。DISAANAはそれらを自動的に特定します。『この地域で毛布がが不足している』『毛布は足りている』というような相反するつぶやきを合わせて見ることができるため、特定の地域の情報を広い視野で見渡すことができます。

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『注』のマークが表示されているものは、矛盾するつぶやきがあることを示している。

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『注』と書かれた単語をクリックすると、回答候補を抽出したつぶやきと回答候補と矛盾するかもしれないつぶやきが同時に表示される。その質問に対するそれぞれのつぶやきの数や実際に記載された時間なども表示されるため質問者が状況を把握しやすくなる。

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今後はリアルタイムでつぶやきを分析し、将来大規模災害が発生した際に被災状況の即時確認や救援活動に活用できるようバージョンアップしたDISAANAを平成26年度中に公開できるよう開発が進められています。

REFERENCE:

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対災害SNS情報分析システム「DISAANA」(ディサーナ)をWeb上に試験公開
http://www.nict.go.jp/press/2014/11/05-1.html